それはいったん置いておいて、今年の学生残酷映画祭の開催が決定いたしました!!!
作品募集締切:11月19日(月)必着
開催日:12月9日(日)
会場:阿佐ヶ谷ロフトA
観に来い!!!!
桐島よりも学生残酷映画祭に来い!
でも桐島も観ろ!
ということで『桐島、部活やめるってよ』を観てきました。
前評判でアレだけ盛り上がっていただけありました。
非常に素晴らしい映画だったと思います。
映画らしい、むしろ映画以外で表現できない映画でした。
この映画で特出すべき点は多々ありますが、私は視線劇についてピックアップしたいと思います。
まずは分かりやすい視線の交錯において、教室の机という位置関係がこの物語では非常に重要になっています。
むしろ、『桐島』に寄って浮き彫りにされる教室という特殊な空間の視線ゲームのバツの悪さは吐き気がするほどです。
『桐島』のなかで多々用いられる視線だけで行われる演出で場内が湧いたりしていて、本当に凄いと思いました。
教室で目が合うって、やっぱめっちゃ素敵やん。
視線で言えば、この映画の中では上を向いている者と下を向いている者の二者にわかれています。
上を見上げている者で分かりやすいのは、桐島の親友である菊池宏樹。
彼はいつも放課後にバスケをしていますが、その視線は常に上を向いています。
また、バトミントン部、バレー部の部員たちも常に上を向いています。
それと対照的に上から見下ろすのは吹奏楽部部長の沢島亜矢。
彼女は常にあらゆる事象を上から見下ろしている存在です。
宏樹と沙奈がキスをしているところですら、彼女は彼らを見下す形で目撃します。
また、一番最初にこの映画で象徴的な場所である屋上に出るのも彼女です。
そしてつねに上も下も見ずに正面だけ見ているのが、映画部の前田です。
彼のカメラは常に正面を向いています。
しかし、彼のカメラが上を向くシーンと下を向くシーンが唯一二つあります。
それは、歩いているかすみを見上げて撮影するシーンと、
屋上で宏樹の全身を映し出すシーンです。
この上と下という関係は、非常に上手く彼らの本当の関係というモノを現していると思います。
そして、最後のクライマックスで、全てのキャラクターが学校の最上部である「屋上」に行く事が許され、カタルシスに突入します。
ちなみに「少女革命ウテナ」においても学園の最上階の部屋は物語をカタルシスに導く「世界の終り」と密接に関係していました。
ただ、見上げる人間と見下ろす人間のどちらが優れていて、劣っているという問題ではなく、
この関係性から見る人によって見えてくるものが全然違う映画になっていると思う。
コレばかりは映画を実際に見て、自分で感じて欲しいと思う。
この人々の上下移動と平行移動の演出は、宮崎駿が非常に得意とするところで、
日本映画は生きてるシリーズの『アニメは越境する』で論じられているので是非。
岩波書店
売り上げランキング: 428868
また非常に小津的な視線劇も見られたり、
『涼宮ハルヒの消失』以降に作られる学園モノとして落とし前的なところも押さえているし、
とにかく皆さん観に行ってください!!
あと残酷映画祭に遊びに来てください!
角川映画 (2010-12-18)
売り上げランキング: 3301
売り上げランキング: 3301
ジェネオン エンタテインメント (2004-12-03)
売り上げランキング: 24179
売り上げランキング: 24179
0 件のコメント:
コメントを投稿