2010年9月30日木曜日

俺のドラゴンが火を吹く。『ヒックとドラゴン(3D)』88点

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今日は六本木ヒルズのTOHOシネマズに『ヒックとドラゴン』を観に行ってきました。

Twitterでは凄い話題になっていたのに、世間的にはあまり触れられてない作品でした。

感想を言いますと、非常に面白い、とても良い映画です。


とにかく脚本が良く出来ています。
まず主人公を中心としたキャラクター同士の人間関係。
母親を無くした主人公と父親のディスコミュニケーションっぷりが笑えるし、泣けます。

ドリームワークスの映画って、キャラクターの造形とかがあまり好みではないのですが、『ヒックとドラゴン』のキャラクターは観ていてとても楽しい。
特に好きなキャラクターはヒロインのアスティです。(真ん中の子ね)
バイキングの女の子なんですが、どうみても現代のTeenagerの女の子みたい(腰元のドクロとかね)。
僕には昔のアブリル・ラヴィーンに観えました。

『KickAss』の感想にも書きましたが、最近の童貞オタク主人公映画を観ていると、「なんでこの美少女が、こんなヤサオに惚れるんじゃい」と思ってばかりでしたが、『ヒックとドラゴン』では二人の恋物語がしっかり描かれています。
それは二人乗りシーンです。
二人乗りといえば、判りやすい所であげると『耳を澄ませば』などで印象的なシーンがありますね。
しかし、この映画ではなんとドラゴンに二人乗りします。
股間には(俺の)ドラゴン、背中には好きな子のおっぱい(成長期的貧乳)。(俺の)ドラゴンの上では、いつも乱暴なあの子も俺にメロメロという草食系男子総立ちの素晴らしいシーンです。
しかも、3DCGの飛行シーンがとても奇麗なんです。
「これならバイキング女もイチコロだな」と思わせる説得力です。

また、ヒックの相棒であるドラゴンのトゥースは表情豊かで凄い可愛い。
目で感情の全てを表現しているんですが良く出来ています。
動きのモーションも犬や猫の動きを良く研究してつけているんだろうなぁと思わせる程自然。

というように、良かった所を上げるとキリがないのでとにかく劇場で3Dで観て欲しいです。
しかし、3Dで上映しているのは今週いっぱいくらいなので、みなさんお早めに。


と、褒めたものの、突っ込みどころもあります。
私が一番びっくりしたのは、最後の最後のシーンでのヒックのボイスオーバーで「ドラゴン=ペット」という説明が入る所です。
いや、それは違うでしょ!
本当に目指すべき理想は「人間とドラゴンの対等の共存」じゃないの?
もちろんペットと人間が対等な関係を築く事も可能だけど。
原題は「How To Train Your Dragon」だし、訳すと君のドラゴンの調教の仕方?
うーん。
って、原作の小説だと話が違うからかな。
そのまま映画のタイトルにしているから、なんだかおかしな感じになるのかも。

それから、最終的にバイキングのコミューンから「ドラゴンとの戦い」というモノが無くなるわけなんだけど、『「戦い」という要素で成り立っていた集団が、そんなに簡単に戦いを捨てて成立できるモノなのだろうか?』と思った。
たとえば、ドラゴンとの戦で親を無くした子供に「はい、ドラゴンは良い生き物だから仲良くしましょう」っていきなり言ったって、聞くのか?


なので、もし『ヒックとドラゴン2』を作るのであれば、異種と共存する事の難しさを描いて欲しいかな。
そして、やはり「ヒックとトゥース」の決別を描かなければこの物語は終われない!


ヒックとドラゴン〈1〉伝説の怪物
耳をすませば [DVD]
レット・ゴー(通常)


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